あの夏
夏の蟬しぐれ
わんわんと響く
その
命の限りの刹那の営みに
あの夏の日
絶望の中でも
同じように
季節は巡っていたのだと
涙が溢れる
真夏の入道雲
見上げるその先に
飛び立っていった
たくさんの命
アルファルトを吹き抜ける熱い風
あの夏
突然襲った熱波は
熱いと感じる間もなかった
蟬しぐれも
入道雲も
熱さも
命あるからこそ
感じるんだ